ひなまつり

父が病院へ戻っていった。いないとやはり寂しいものです。
いつもならちらし寿司なのだが今年は無し。母はひどく疲れている様子であるのに、季節感というものを大切にしたいから節句のことはきちんとやってあげたい、と。母も老いが足腰に来ているのか、あるいは、ただの疲労なのかもしれないが母まで倒れてしまってはね。
学校に通っていた頃を思い起こすと、お年玉おせち雑煮七草粥、豆まき、ちゃんとやってくれていたんだなぁ。菖蒲湯や、ゆず湯なんかも。忙しいなかを、味噌や梅干を仕込んだり、そして漬物つけたりしていて、我が家の面々に節目を刻んでくれていたんですな。
数え年ならもう三十路に踏み込んでいる我が身を省みるにつけ、親の偉大さが実感として湧いてきます。